私の相談所では、「理想の人のリストアップ」を行っていますが、
その中で「背の高い人」をリストアップする人は少なくありません。
なぜ、「背の高い人がいいの？」と私が質問しても明確な答えが返って
くることは、ほとんどないと言っていいのですが、男性の身長の高さに
ついては譲れないという人は少なくないのです。
それでは、その背後にはどのようなメッセージが隠れているのでしょうか？
歴史的に見ても、支配と抑圧に関わる行為のなかには、高低の位置関係に
関係したものがとても多く出てきます。
例えば、王様が座る位置は高い場所だし、敵からの攻撃を防御するにせよ、
高い場所に陣取れば、優勢にことを運べます。
それから、私たちは子供の頃は身体が小さく、最も弱い時期です。
赤ちゃんはこの世に生まれてきた最初の日から、自分の顔を覗き込んでくる
大人たちを見上げて生きています。 空腹や不快感があると泣き声をあげると、
すぐに大きくて背の高い人が駆けつけてくれるのです。
赤ちゃんはそのような体験を重ねるうちに、自分が大きくて背の高い人たちに
完全に頼って生きていることを知るようになります。
学校に通い始めると、学校の教師や背の高い子どもや年長の兄弟も、
背の低い子や年下の兄弟を支配し、ときには力ずくで言う事を聞かせる
時もあります。
このように、子供がまだ幼いうちから高さと力を結びつけるのです。
以上のことから推測できることは、「背の高い人」を譲れない優先事項にする
のは、「力」、「権力」、「頼りがいがある」などを無意識に感じているという説があります。
人は何か言葉を発するときには、それに何らかの背景があるもの。
そこを深く追求していくと、自分がなぜそれに固執するのかが分かることが
あります。
背の高い人に頼りがいを求めているのなら、そうじゃない人にも頼れる
人はたくさんいるはず。
そこに気づくと、あなたの許容の幅はもっと広がってくるはずだと
思うのです。
参考文献 『赤を身につけるとなぜもてるのか？』 タルマ・ローベル著
