お見合いの同席で大変だった思い出

私が新米仲人だったとき、大先輩の仲人さんに言われたことがあります。

それは「仲人は現場が大事」ということです。

お見合いの時には現場に行って、まず会員さんの顔を見ること。

そして、会員さんと話をすることによって、会員さんの心の状態がわかると

ベテラン仲人さんは仰いました。

実際、私はその教えを実践してきたわけですが、結果は仲人さんの仰る通りでした。

やはり、オフィスで会員さんとメールや電話で話しただけでは、細部までわからないもの。

本当に人間と人間のコミュニケーションというのは、どんなに通信手段が進化しても

お互いに顔を合わせることにはかなわないのです。

現代のお見合いは、仲人が同席することが少なくなりました。

昔の仲人さんといえば、大体お見合いの席に同席していたと思います。

ですから、土日は一日中ホテルにいた仲人さんも多かったです。

私がその頃を思い出して一番大変だったのは、ある男性会員さんのお見合いです。

というのは、彼は背が高くてイケメンなのですが、何しろ喋らない。

寡黙な男性がモテた時代ですが、それにしても喋らなすぎる(笑)。

そこで、いつも仲人である私の出番になるわけです。

彼の場合、必ずお相手とお食事しながらのお見合いでした。

あるとき、ホテルの和食のレストランでしゃぶしゃぶをいただきながら

お見合いしたことがあります。

しゃぶしゃぶというのは、楽しく鍋をつつくというイメージですが、

お二人は黙々と食べるだけ。

私が一生懸命、肉や野菜を二人に給仕するという具合です。

それをしながら、私は次から次へと話題を提供したのでした。

女性が私の話に乗ってくれればいいのですが、彼女もあまり喋らないのです。

私の質問に対して「いいえ」と「はい」ばかりなので、一向に会話が膨らんでいかない。

もう、途中から泣きそうになった私でした(笑)。

それでも、一時間は彼らと一緒に食事をして退席したのでした。

その後です。 ものすごい疲労感が私を襲ってきたのは。

そして、なぜかデパートに駆け込み、もう買いまくりましたよ。

多分ストレスが買い物という行為に走らせたのだと思います。

翌日、お相手の女性からお断りの連絡がありました。

ちなみに、彼が使ったお食事代が3万円だったとのこと。

私は、彼の出したお金の倍以上、買いまくりましたからね(笑)。

 

 

 

 

 

昔も今も、会員さんのお見合いのお立会いはしない仲人さんもいます。

それは、それで各仲人さんにやり方がありますからいいのです。