以前、私の相談所の女性会員さんたちがお付き合いした相手は、
デート中もガラケーやスマホを手にしていて、移動中などせっかくの
デートにかかわらずに、スマホ相手にコミュニケーション。
彼女たちはその姿にあきれたということがありました。
その話を聞いて、私はスマホがコミュニケーションの形態を変えて
いくのではないかと思ったのです。
そこに、ジャストタイミングとはこのことでしょうか。
笹氣健治さんの『心の健康増進メールマガジン』を読んでいたら、ちょうど
どそのことが書いてあったのです。 そこでシェアさせていただきたいと思います。
笹氣氏によると、「スマホによって世界が大きく変わる」という恐怖感を
持っているとのことです。
長い間当たり前のように続いていたファミレスの24時間営業がだんだんと
なくなる傾向にあります。 その原因の一つにスマホがあるとのこと。
これまで、深夜のファミレスは若者たちのコミュニケーションの場だったのに、
今や、若者たちのコミュニケーションの場はネット上に変わりました。
友人とお喋りするのに、わざわざファミレスに出かけていく必要がなくなり、
ファミレスも24時間営業していても採算が取れなくなったとのこと。
笹氣氏は、このコミュニケーション形態の変化は、これからの人間関係に
も大きく関係してくると言います。 既に影響が出ている部分があると。
これはどういうことでしょうか?
今のネットでのコミュニケーションの多くは、ラインやメール等で
行われていますが、これに対してファミレスの会話は対面です。
ラインと対面の違いは何でしょうか?
それは、相手の顔が見えるかどうか、相手の表情が見えるかどうか、
相手のしぐさが見えるかどうか、相手の声の調子が聞こえるかどうか。
人がコミュニケーションする際には、私たちは言葉の内容だけではなく、
その言葉を発した人の顔やしぐさや声などから伝わってくる感覚から
相手の言いたいことを理解します。
実際には、言葉の内容よりも、その他の非言語的なもののほうが、
コミュニケーション上では大きな意味を持つのです。
例えば何か言うにしても、笑いながら冗談のように言うのと、文面に
するのでは違います。
ある程度の意味合いは、前後の会話の流れで理解することができる
かもしれませんが、誤解して受け止めてしまう可能性は対面より
ネット上のコミュニケーションの方が高いはずです。
さらに言えば、非言語から相手の意図を察するには、経験の積み重ねが
必要。 対面での会話のやりとりを積み重ねることで、言葉以外から
伝わるコミュニケーションを察する能力が鍛えられます。
つまり、ネット上の会話ばかりしている人には、一向にその能力が
高まらないことになるのです。
そういう人たちがこれから社会にたくさん出てきます。
その結果生じるのが、言葉は通じても、お互いに理解し合えない事態です。
それでは、そんな社会で私たちはこれからどうやって生きていけば
いいのでしょうか?
パート2に続く
心理カウンセラー笹氣健治さんの『心の健康増進メールマガジン』
テーマ「コミュニケーションをあきらめない」 より