相談所でお見合いして、お付き合いするようになったのは
いいけれど、相手があまり喋らない人で「何を考えているのか
わからない」という悩みを持つ人が少なくありません。
例えば、A子さんの悩みは映画を観たときなどに、主人公の心理などに
ついて話すのですが、彼に「どうだった?」と聞くと「うん、よかった」と
手短なお答え。 仕事に対することを聞いても、「忙しいよ」とただ一言。
これじゃ、会話にならないよと彼女は嘆くのです。
しかし、それでも彼女が断らないで付き合いが続いていると
いうことは、その他のところで惹かれるところがあるからでしょう。
というのは、コミュニケーションというのは、言葉で伝えること以外に
表情、態度、雰囲気など、言葉にならないコミュニケーションが重要な要素だからです。
だから、これらから彼のお人柄の良さが伝わっているよう。
とはいえ、やはり言葉で表現してほしいと思ってしまうのですね。
このお話を聞いたとき、私が感じたことは、
彼女が考えるコミュニケーションとは「言葉で表現する」ことであり、
彼女にはそれが当然であり、彼にもそうするように求めているような
気がするのです。
彼女にとっては出来ることが、彼には出来ないってこと。
つまり、自分の普通が相手にとっては普通ではないことです。
人間関係において、ここのところは大切なポイントだと思います。
口下手な人や、相手に距離をおいて接する人は、
昔、言いたいことを言ったら拒絶されたり、辛いことがあったり、
人間関係がうまくいかなかったことがあったのかもしれません。
人と本音で接すると、少なからず傷つきますので、
これを防ぐために無意識下による自己防衛の場合もあるのです。
それじゃ、こういう人と付き合いにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、こちらが相手の思っていることを代弁してあげるのも
方法の一つです。
例えば、映画を観て「最後の別れのシーン、感動したよね」と
普通このように話しますが、これだと自分の感想を言ったにすぎません。
多分、相手は「うん」としか返ってこないでしょう。
そうじゃなく、
「主人公が恋人と別れるシーン、悲しくなかった?」
「主人公が恋人と何年かぶりで再会するシーン、ジーンとしなかった?」
などと、相手の気持ちを聞いてあげるのです。
普段気持ちを出さない人でも、気持ちを言い当てられると
それを否定しようとまでは思いません。
そして、この代弁が当たっていると、
「そう、そう、あのシーン、泣けてきたよ」などと、この代弁が誘い水となって
話すきっかけになることがあるのです。
そう、口下手な相手と付き合うには、こうして話すきっかけ作ってあげること。
この代弁をして、誘い水を打つということは、いろいろなシーンに
使えますから、試してみてください。
大事なことは、口下手な相手が、あなたの理想通りになることは
ないってこと。 おそらく、これからもずっと。
「相手は変わらない」のなら、あなたが変わるしかないのです。
実に、シンプルなこと。