今も昔も男性会員さんから良く聞く言葉は、「僕の悪いところは何でも言ってください。
直しますから」です。
つまり、仲人の力を借りて、誰もに好かれる「いい人」になることを目指そうと
するわけです。
もちろん、マナーや外見など、ご本人が意識すればすぐに改善できるところは
アドバイスします。
しかし、その方の性質については、私はあまり手を加えたくないのが
正直なところなのです。
というのは、その方が持っている何らかの部分を相手から否定されたとしても、
そこが「悪い」って切り捨てることはないと思うからです。
そもそも「悪い」って言われる部分は、多面的に見ればその人の良さであったりします。
例えば、ちょっと話は飛びますが、お腹の中には善玉菌と悪玉菌があります。
お医者さんに聞いた話ですが、善玉菌だけでは、お腹のバランスはとれないのだそうです。
この話を聞いたとき、私は人間も同じだなと思ったのでした。
つまり、悪も善もあって、その人が成り立っているのです。
その点から見ると、「僕の悪いところは何でも言って下さい」という人は、
自分の良さついては、あまり焦点を当てていない傾向にあります。
良くない点にばかり意識している状態です。
そうじゃなくて、自分の良さや強みにも目を向けないと、自分らしさが
どんどん削がれていくのです。
自分の「良さ」と「そうじゃないところ」、その両面を自分自身で観察したときに、
初めて改善するべき点がわかるし、「これが、自分なんだ」と腑に落ちるのでは
ないでしょうか。
そこがわかれば、単に「いい人」を目指すことは、あなたの本意ではないことに
気づくはずです。