将来ばかりに目を向けて「今」を見ない

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ずい分前の話ですが、お見合いの席で男性が将来の話をし始めました。

彼は地方出身で30代になったばかり。

その彼が「東京はごみごみしていて住むところではない。将来は田舎に帰って

畑を耕して農作物を作る」と話し始めたのでした。

この話を聞いた女性の頭の中は「田舎暮らし」、「畑仕事」、「親との同居」などの

キィーワードが頭の中を駆け巡ったのです。

そして、肝心の他の話が上の空になってしまったのでした。

もちろん、お見合い終了後すぐに、彼女からお断りの連絡が入ったのは言うまでもありません。

この話から私が思ったことは、彼は自分の夢を語ったに過ぎないのですが、

お見合いの話題としては適切ではなかったということ。

それから、それに対する女性の過剰反応が気になります。

彼の年齢は30代前半です。 田舎に帰って農作物を作りながら生活したいという

ビジョンは今すぐの話ではないのです。 おそらく、定年後の話でしょう。

とすると、30年後のことになるわけです。

結婚する人とは将来の計画を持つことは大切ですが、そんな遠い将来のことを

考えて不安になっても仕方がありません。

誰しも、たった一瞬の未来のことでさえわからないのが真実なのです。

そう考えると、彼女は彼に「そういう夢をお持ちなんですね」と受け止めるだけでよかったのです。

そこには、同意もなければ、否定もない。

ただ、受け止めるだけ。

何も、何十年後かに実現するかどうかわからない人の夢に心を乱すことはないのです。

不安はよりよい人生を送るために必要な要素ではありますが、不安に心を支配され

て「今」を失うことが多々ありませんか。

これが、何とももったいないと思うのです。