以前、私の結婚相談所でこんなことがありました。
お見合いで知り合って、交際相手に連絡をとろうとしたら
ケータイの電源が切られていました。
しばらくしてまた連絡したらまだ電源が切られている。
彼女は、何を早トチリしたのか、
「ガ～ン。わたしは彼に避けられている…」 と。
たったそれだけのことなのに大騒ぎになったことがありました。
電話というのは、相手の都合というものがあるでしょう。
移動中の時もあれば、会議中の時もあるし、接客中の時もあるし、
上司に説教されている時にはもちろん出れませんよね（笑）。
ケータイ電話が必需品になって、恋愛やビジネスに大きな
変化を与えました。
一見最高のツールのように思えます。
ですが、いつでもどこでもダイレクトにつながるということは、
決していいことばかりではないと私は思うのです。
先日、大学生の親戚の女の子が我が家へ一泊しました。
彼からの連絡がないと、ケータイを片時も離しません。
何回もリダイヤルをしてやっとつながった様子です。
そうしたら、ケータイに向かってヒステリックな声。
「何回電話していると思っているの！！」
「どこにいるの？何やっているの？」
と、すごい責め口調なんです。
私は、ケータイのない時代に青春時代を過ごしたクチですが、
電話がつながるのは、家と会社だけ。
学生時代は、部屋に電話がない人もけっこういて、
下宿先のオクサンに電話を取り次いでもらったなんて
時代もあったのですよ。
だから、深夜に電話で話しをするということもほとんどなかったし、
ケンカしても、とりあえず頭を冷やす時間がありました。
そこには適度ないい感じの距離感があったんじゃないかと思います。
ところが、現代はそうはいきませんよね。
「いつでもつながる」 ということは 「相手の状況をいつでも把握している」
ということなのです。
だから、「いつでもつながる」 が前提条件になっていますから、
「つながらない」 と非常事態のように思えてしまう人がいるのです。
その結果、ついネガティブな方へ思考がいってしまう。
しなくてもいい心配や不安を背負いこんでしまうのです。
そこに生まれるのは、イヤな感じ、違和感、そして、束縛感。
本来、あなたは決して人を束縛するような人間じゃないと
自己評価していても、いつの間にやらそういう人間になっていたりします。
ケータイって、そういう意味で結構コワイ。
いつでもつながるはずのケータイがいつの間にか、
二人の心の距離を離れさせてしまうということもあるのです。
と言う意味でケータイは万能ではなく、恋人たちにとって
むしろ両刃の剣なんだと思ったりするのです。
ビジネスだって、緊急でも重要な要件でもないのに、
時間もお構いなしにビービー鳴ったり・・・。
映画だって、恋人たちが待ち合わせ場所を間違えて、
一日中違う場所でお互いを待っていたなんていう
切ないストーリーはもうありません。
便利な世の中になったのはいいのですが、
なぜかケータイのなかった時代がちょっぴり懐かしい私です・・・。
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