「二股愛」

彼が好き。すごく好き。


だけど、彼には彼女がいるの。


それでも好き。あきらめきれないの。


・・・だから、告白してみた。


そしたら、彼は、


「オレ、彼女がいるけれど、それでいいなら」


と。



さぁて、あなたなら、こんなときどうしますか?



このお話、私が学生時代に仲良しの友人におこった


実話です。


これを聞いた私は、


「え、えぇーー、そんな勝手な男!やめなよーーーー」


と思わず口から出てしまいました。



友人は、


「私もそう思う。でも、私の方が可愛くな~い?」


な、なんと強気な発言。



しかし、「彼女がいるけれど、それでも良ければ」


と堂々とわけのわかんないことを言う男です。


つまり、


「君に好きだと言われて嬉しい」


「でも、僕には彼女がいる。君をファーストにするわけにはいかないけれど、


 セカンドでよければ付き合うよ」


って、ことですよね。



これって、「セカンド宣言」 じゃない!?



それでもいいからと、


友人は付き合い始めたのです。


恋をしたら人間正気じゃなくなるとはよく言ったものです。



それから間もなくやってきたクリスマス。


プレゼントを用意して待っていても彼はこない・・・。


連絡があるときは、決まって、当日か前日か


突然、今から会おうよ とくる。


彼が会おうというときは、彼女との約束がキャンセルになったとき。多分・・・。


しかし、会うと、


「辛い思いをさせている。でも、君を好きなんだ」


なぁ~んて、しゃあしゃあと言ってくれるんです。この男は。


そんなもんだから、彼女は、中途半端な関係をズルズル引きずることに


なってしまったのでした。



あるときに、私は、ノラリクラリと二股をかけるこの男と


話したことがあります。


「彼女が可哀そうだと思わないんですか?」 と私。


「オレ、彼女のこと本気ですから」


「エッ、じゃ、今お付き合いしている彼女は?」


「もちろん、本気です」



つまり、ファーストもセカンドも本気だってこと!?



彼が、あまりにも真顔で言うので、私は妙~に冷静になって、


「世の中こういう男がいるんだ」


と一つ自分の中の引出しが増えたような気がしました。



しかし、今も昔も、世の中の常識にハマらないっていうか、


一筋縄ではいかないっていうか、 


こういう男、いるんですよね。



もし、あなたが、こういう目に合っていたとしたら、


ここは、感情で 「そんなの許せない!」 と思ってはダメです。



大事なポイントは、「こういう男もいるんだ」 という知識で捉えること。



私だったら、こういう男は、やめときます。はい(笑)。



でも、「やめます!」と言えないところが惚れた弱みですよね。


わかりますよ。


かといって、こういう恋に頑張ってみたところで、


ファースト昇格の可能性は低いのです。



こういうときは、「やめるとも、進むとも、どっちも決められない」


だから、悩むんです。



だから、大事なポイントは、


自分自身に対する問いを 「どうしよう」 じゃなくて、


「だから、これからどうする?」 です。



決めた結果が、やっぱり好き というのなら、


ファースト昇格を目指して、女を磨きながらトコトン頑張る。



問題は、「やめよう。・・・ううぅ・・でも・・・やっぱり好き・・」


と思ったときです。



「でも」 という言葉は前に進めなくなる言葉です。


恋愛だけではなく、いろいろな場面で 「でも・・・」 と言うと、


足が止まります。



だから、「でも・・・」 と思った瞬間に、


「ああ!ダメダメ!」 と 首をブルンブルンして!



辛いけれど、前を向いて次の恋を捜しにいかなくちゃ、ねっ。



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