テレビドラマ、『突然ですが、明日結婚します』が低視聴率だとか。
私も何回か観ていたのですが、内容が興味深いというわけでもなく、
感情移入や共感できるところもなく、途中でつまらなくなり他のチャンネルに
変えてしまったドラマです。
なぜそう思ったのかというと、現実離れしているから。
どういうところがというと、まず、主人公の女性は、キャリア・ウーマンでありますが、
結婚したら専業主婦になりたい、という夢を持っています。
そういう夢を持っている女性はいるでしょうが、現実的にはむずかしいのです。
多くの女性が望む結婚後の仕事の仕方は、子供の年齢によって、ある時は
短時間のパートであったり、ある時から少し長めの仕事をしたり、
あくまでも家庭に重きをおきながら自分が出来る範囲で働くことです。
フルタイムの仕事は家庭との両立が大変なので、扶養者控除以内で働きたい
という女性が多いと思います。 そこには、単に給料の補足をするだけではなく、
何らかの形で社会とつながっていたいという希望を持っている人が多いのです。
ここで、厚生労働省が発表している「厚生労働白書」をご覧ください。
それによると、2015年の集計では、共働き世帯が1,114世帯、専業主婦世帯は
687万世帯と、全世帯の約62%は共働き世帯なのです。
これを見た限り、共働き世帯の割合は増える一方。
特にドラマの視聴者層となる20代では64.5%、30代では47.5%が共働き
という調査結果もあります。
ということで、ドラマが描いている世界観が現実離れしていて白けてしまうのです。
それから、もう一つ。
主人公の恋人役は、テレビ局の人気アナウンサー。
キー局のアナウンサーであれば、年収も一般的なサラリーマンと比較すると
圧倒的に高いでしょう。 1000万はゆうに超えていると思われます。
サラリーマンの平均年収が400万代の時代にです。
婚活サービスIBJが公開した結果によると、男性会員の「1人当たりのお見合い
申し受け数と申込み数」の推移を見てみると、年収が高い人ほどお見合いを
申し込まれる割合が増加する傾向にあり、申し受け数が申込み数を上回る
のは、年収500万~600万円からとのこと。
つまり、年収500万が「モテる男性」の境界線になるのです。
ただし、現実的にはそのような男性は少なく、年収が500万以上の20代未婚男性は
9.2%、30代未婚男性は17・9%。
(明治安田生命生活福祉研究所が昨年6月に発表した「恋愛と結婚」に関する調査より)
特に主人公の恋人役のような超高給男性を、身の周りで見つけるのは難しいを通り
越していますよね。
つまり、現実的にめったにお目にかかれる設定ではありません。
もっともドラマですから、おとぎ話の世界の出来事として観ればいいのでしょうが、
ドラマの作りは美男美女のファンタジーというわけでもないです。
もう少し現実の恋愛や結婚を取り巻く環境を描いたら面白かったのに。