「君につづく道」



監督: ジェームズ・マンゴールド


主演: ホアキン・フェニックス

     リース・ウィザースプーン


最愛の兄を事故で亡くしたジョニーは、孤独な少年だった。


そんな彼の心の拠り所は、ラジでオからいつも流れてくる


ジューン・カーターの歌声。


成長したジョニーは、空軍を除隊後、初恋の女性ビィビィアンと


結婚するが、さらに音楽への夢を募らせていく。



彼は、軍隊時代の自作曲でオーディションに合格。


プロとしてミュージシャンの道を歩むことになるが、


妻との争いは絶えず、ジューン・カーターとの


共演を機に、彼女に心を惹かれていく。


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アメリカのカントリーシンガー、ジョニー・キャッシュの半生を


描いた映画です。


ストーリー的には、実在の人物をベースにしているので、


盛り上がる涙のラブストーリーではなく、生身の恋を描いて


いて引き込まれました。



私が印象に残ったのは、ジョニーが歌手として成功していくのとは


裏腹に妻との関係が悪くなる一方になったということです。



ジョニーは妻に、


「大きな家も買った。 金にも不自由させていない。 君の望むものは


 すべて与えた。 それなのに、何が不満だ!!」


と怒鳴ります。



妻は涙ながらに、


「I want you!」


「I want you!!」


と訴えます。



歌手としての成功と引き換えに、妻と子供と過ごす


時間がなくなり、心が離れていきます。



妻は、物質的には満たされたものの、


精神的には、悲鳴を上げていたのです。



彼は仕事に夢中で、妻がどんなに不安で寂しい


気持ちでいるのかということまで気が回らない。



男性は、家族を物質的に豊かにすることを


一番に優先しますが、精神面も満たしてあげなければ、


女性は幸せじゃないのです。



多くの男性にとっては、両方をうまくやるということは


むずかしいことなのでしょうね。



男と女の悲しいすれ違いが描かれています。



さて、映画は音楽シーンが素晴らしいです。


日本でいえば、カントリーは演歌のような感じなのでしょうか。



2人の歌が、グッと心に入ってきて、余韻が後まで残りました。



驚くことは、主演のホアキンとリースが実際に歌っているということです。



「役者があんなに歌えたら、本職の歌手はどうするのよ」


と思えるくらい、素晴らしい歌唱力です。



ジョニーに愛されて、何十回もプロポーズされたジューン。



彼女は、本気で彼と向き合い、


辛いことも苦しいこともしっかりと受け止めて、


自分の足で歩いてきた女性です。



こういう女性だけが、出会うことができる


恋なんだろうなぁ って思います。



ストーリーもいいですし、


2人の歌を聞くだけでも、価値がある映画です。

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